音楽&ファッション

【服装についての疑問に答えます】オペラ鑑賞時に押さえておきたい3つのポイント

2021年5月5日

【服装についての疑問に答えます】オペラ鑑賞時に押さえておきたい3つのポイント

「憧れのパリやミラノでオペラを鑑賞する機会にめぐり逢えた・・・!」

えっ、でも、ちょっと待って。服装ってどうすればいいの?

オペラの本場、ヨーロッパにある45ヶ所以上の劇場・コンサートホールで鑑賞した

経験を持つ私が疑問にお答えします。

【服装についての疑問に答えます】オペラ鑑賞時に押さえておきたい3つのポイント

夏のザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場の前。初日ではないので、カジュアルな装いの人も少なくない。

私がこれまで訪れた主な劇場・コンサートホール

ミラノ・スカラ座

パリ・オペラ座

ロイヤル・オペラハウス(ロンドン)

ウィーン国立歌劇場

ウィーン楽友協会

ザルツブルク祝祭劇場

バイロイト祝祭劇場

バイエルン国立歌劇場(ミュンヘン)

ベルリン国立歌劇場

ドレスデン国立歌劇場(ゼンパー・オパー)

フェニーチェ歌劇場(ヴェネツィア) など その他はこちらで紹介

前提として・・・ いわゆるガレリア席(天井桟敷)や舞台が見えないようなボックス席の奥などではなく、平土間席や、ボックスの1列目など、第1〜第3カテゴリー席に座る場合を想定しています
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基本はちょっとしたオシャレなレストランに行くときの服装でOK!

基本はちょっとしたオシャレなレストランに行くときの服装でOK!

貴族の社交場としての歌劇場(オペラ座)は昔の話。今は庶民も楽しむ舞台芸術のひとつ

もともとオペラは貴族文化の中で発展してきた芸術のひとつ。

今もそういった伝統は受け継がれていますが、オペラの本場ヨーロッパにおいても、オペラは庶民も楽しめる芸術として親しまれています。

日本でオペラやコンサート鑑賞に行ったことがある人なら、その装いのままでも基本は心配は無用

本場ヨーロッパだからといって、特別に気負う必要はありません。

日本でオペラやコンサート鑑賞するときの装いであれば問題なし。ちょっとオシャレなレストランにでかけるときの服装があれば、日本でもヨーロッパでも「浮く」ことはないです。

男性ならば、ダークスーツ、ジャケットにパンツにネクタイのスタイル。女性ならば、ワンピース、スーツなどの服装が良いでしょう。

ドレスコード

とはいえ、折角の機会なのだから、色々とオシャレを楽しむのもあり

とにかく、周りから目立ち過ぎないように・・というのが日本らしいのですが。

ヨーロッパでは、もう気持ち「派手さ」を求めるくらいがちょうど良いです。男性のダークスーツならば、ポケットチーフをオシャレに見せるとか、

イタリアなどは、デザインの凝ったジャケットにネクタイもカラーバリエーションを効かせて本当にオシャレな男性が多いんです。

オシャレというとちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、ファッションやオシャレを愉しむことは、オペラの楽しみも何倍も膨らませてくれる、そんな魅力もあるのです。

折角の機会なのだから、色々とオシャレを楽しむのもあり

折角の機会なのだから、色々とオシャレを楽しむのもあり

女性のワンピースなら、ショールやコサージュ、アクセサリーを華やかなものに替えるなど。

ヨーロッパの女性たちも、その国の民族衣装(正装)を着る人も少なくありません。外国から来たゲストなどは、その国々の伝統的な装い(日本なら和装、中国やインド、韓国なども伝統的な装いがあります)を選ぶのもなかなか華やかで良いですね。

昼公演か夜公演によっても装いは違う

オペラには、日中13時、14時から開演する(特に土曜日、日曜日など)

場合もありますが、

昼公演の場合には、夜公演の装いとは区別して考えたほうが良いでしょう。

男性のブラックスーツ、ダークスーツは昼夜兼用なので、便利。

女性の場合には、イヴニングドレス(肌が露出する)は、夜に着用するもので、

昼間の場合には、肌の露出は極力避けるべき。

昼間は、肌の露出が少ないスーツ、裾を引きずらないドレス(またはワンピース)

などを選ぶことをおすすめします。

中には注意が必要なオペラ鑑賞にあたってのTPOがある

それでも中には注意が必要なオペラ鑑賞にあたってのTPOがある

大前提として伝統と格式の高い音楽祭がある

バイロイト音楽祭

言わずとしれたワーグナーの聖地、バイロイト。

ワーグナー自らが設計した祝祭劇場で、夏の間だけ開催される音楽祭。

入場チケットは、●年待ちと言われるほど、入手が困難と言われるほど。

写真は10年ほど前の《ニーベルングの指環》第2チクルス。第2チクルスよりも、第1チクルスのほうが、正装度がアップする傾向があり、第1チクルスには、歴代のドイツ首相もはるばるこの地にやってくるほど。

とりわけ新制作の年(残念ながら、2020年のニーベルングの指環は延期になってしまいましたけど)には、地元バイロイトのみならず、世界中からワーグナーファンが大挙して押し寄せ、聴衆の半分近くがタキシードとイヴニングドレスという姿でやってくるので、相応の装いで臨んでほしい音楽祭でもあります。

(一方で、ジーンズにTシャツといった身なりの聴衆も時折紛れ込んでいるのが、ドイツらしいというか、これは現代ならではの多様性なのかもしれない)

バイロイト音楽祭は、休憩時間が長く一時間以上あることでも有名。

だって、あの長大なワーグナーのオペラだけを味わうんですから、たっぷり休憩を取らないと体力が持ちません。休憩時間は、ドレスアップした聴衆を眺めながら、自分も音楽にどっぷりと浸れる最高の時間なのです!

バイロイト音楽祭

グラインドボーン音楽祭

英国貴族のための音楽祭、グラインドボーン音楽祭。

バイロイト音楽祭と同じく、グラインドボーン音楽祭の休憩時間もたっぷり取られています。

芝の上で繰り広げられるピクニックの様子を見たことがある人も少なくないかもしれませんね。男性はもタキシードはぜひ用意しておきたい。それが無くてもダークスーツは必須アイテムです。

女性はイヴニングドレス。裾を引きずるロングドレス、あるいは足首が隠れるほどのロングドレスが望ましいとされています。急な雨が降ると、ピクニック形式は悲惨。屋内のレストランもありますから心配はいりません。

音楽祭の初日や、新シーズンの初日なども格が違う

ザルツブルク音楽祭のオープニング公演や、ミラノ・スカラ座の新シーズンのオープニング公演など。

こういった日は、これぞヨーロッパの社交場と言わんばかり、紳士淑女がオシャレをして、会場に次々に現れます。その国の元首が招かれて、開演前に全員起立。国家が歌われることもあり、華やかさと荘厳さがミックスした雰囲気になります。

純粋にオペラが好き、音楽が好きな人が集まっている、、、のもありますが、たいていはオープニング公演というのは、チケット自体を入手するのがとっても難しいとされているので、入手が難しいチケットを晴れて手に入れた僕たちってスゴイでしょ?!とアピールしたい側面も少なからず、あるのですね。

音楽祭の初日や、新シーズンの初日なども格が違う

野外で開催するオペラは要注意

ドレスコード、、とはちょっと違いますが、野外で開催されるようなオペラ鑑賞時には、室内よりも気を配ったほうが良いです。

6,7,8月のヨーロッパは夏と言われていますが、6月下旬、8月中旬以降は盛夏ではないので、昼から夜にかけての寒暖差が10度以上となる日も少なくありません。

たいてい、野外オペラの開演は20時とか21時、陽がようやく沈む頃に始まりますが、終演近く(23時から24時)になるころには、風も出てきて、ぐっと冷え込んできます。

なので、袖のないドレスなど着ている場合には、必ず羽織りモノは用意しておくことをお勧めしますし、急に雨が降ることも少なくありませんので、ポケットタイプのレインコートなどもバッグにしのばせていたら、役に立つかもしれません。

いつぞやのヴェローナ音楽祭(8月下旬)では、開演時間の21時には気温が30度近かったのに、終演間近には気温があれよあれよという間に下がり続け、10度まで冷え込んだこともありました。会場内では、フリース地のブランケットが10ユーロで販売され始めましたが、休憩時間中に、あっという間に売り切れてしまったほど。

ヴェローナ音楽祭

ヴェローナ音楽祭 日が暮れる頃はまだ暖かいのだけれども・・・

それでも、外国人ならば最後は許される。

歌舞伎を鑑賞しに来ている外国人が何を着ていても、「えっ、なんかおかしくない?」

注意しなきゃ、とは思わないですよね?

そう、どのみちヨーロッパの人々からみたら、私たちは外国人なので、極論いえば、

どのような装いをしていても、大目に見てもらえる、ということになります。

女性なら和装(着物)もあり

これは、むしろ注目度アップ! 鑑賞時に着物で現れると、とにかく注目を集めます。

年齢関係なく「ビューティフル」と言われ、写真を一緒に撮って欲しいと言われることも少なくありません。

とはいえ、浴衣や絣、綿や麻素材はできれば避けたほうがよいでしょう。これらは「普段着」だからです。

できれば正絹の付下げや訪問着が理想。上品な小紋でも良いです。紬もできれば避けたほうが良いんですが、紬の訪問着など上品で高価なものも

中にはありますし、ヨーロッパの人々にはその違いはわからないでしょうから、まあ、許容範囲ではないかと個人的には思います。

明らかにカジュアルであっても、つまみ出されることはない。

なぜなら、現地で観に来る人たちにもカジュアルな人たちは一定数いるから。都市部のいわゆる一流の歌劇場やコンサートホールであってもそうですし、夏のオペラ祭などはカジュアルな装いのほうが多いんですよ。

男性ならジャケット無し。シャツにジーンズまたはコットンのパンツ。ノーネクタイもザラです。女性もコットンのワンピースや、カットソーにパンツなど。例え平土間の席であっても、少なからずいますし、劇場のスタッフからつまみ出されるようなこともありません。

さすがに、ショートパンツにタンクトップ、サンダル履きは注意されるかもしれません。やめておいたほうが無難です。

そんなわけで、海外出張のついでに夜にオペラ鑑賞に行こうかな〜 なんてときには、商談や会議のときのスーツ姿で十分ですし、ちょっとした観光で訪れた先で、運良く当日券が手に入り鑑賞できることになっても、ブラウスとパンツ、ないしはスカートがあれば、どうにかなるものです。

まとめ

日本での日常生活において、ちょっとオシャレしたい時の装いそのまんまでオペラを鑑賞すればまず困ることはありません。

あとは、実際にその会場にいってみて、周囲の人たちの様子をみながら、男性ならば、ネクタイを外してみるとか、女性ならショールを外して、肩を出してみるとか、工夫をすれば良いと思います。

これは余談ですが、バイロイト音楽祭など、真夏でもクーラーの無い祝祭劇場で、タキシードを着るのは地獄。

上着の脱いで、パタパタと扇子で風を送っていたら、後ろに座っている人に注意された、などというケースも中にはありますが、少数意見です。

大事なのは、オペラを楽しみながらオシャレもファッションも楽しむこと。

なんといっても、非日常体験を味わうのが一番の目的なのですから。年齢関係なく、ヨーロッパは男性も女性も、オシャレを目一杯楽しんでいるな〜

と思いますね。

まあ、国によっても色々と違うんですけども、またこのあたりの話はいずれかの機会に。

音楽祭の初日や、新シーズンの初日なども格が違う

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