音楽&ファッション

女性編【服装についての疑問に答えます】オペラ鑑賞時に押さえておきたい6つのポイント

2022年2月3日

女性編【服装についての疑問に答えます】オペラ鑑賞時に押さえておきたい6つのポイント

オペラ鑑賞時に押さえておきたい装いのヒントとして・・・

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これまで2回に分けてご紹介してきました。

今回は女性編・・・ということで、オペラ鑑賞時に押さえておきたい装いのヒントを

6つにまとめました。

女性の場合も男性と同じく基本はちょっとしたオシャレなレストランに行くときの服装で大丈夫!
 女性は男性よりも幅広いオシャレの選択肢があるので、シーンによって様々な装いを楽しめます

オペラの本場、ヨーロッパにある50ヶ所近くに及ぶ劇場・コンサートホールを

実際に訪れ、鑑賞した経験を持つ私が疑問にお答えします。

私がこれまで訪れた主な劇場・コンサートホール

ミラノ・スカラ座

パリ・オペラ座

ロイヤル・オペラハウス(ロンドン)

ウィーン国立歌劇場

ウィーン楽友協会

ザルツブルク祝祭劇場

バイロイト祝祭劇場

バイエルン国立歌劇場(ミュンヘン)

ベルリン国立歌劇場

ドレスデン国立歌劇場(ゼンパー・オパー)

フェニーチェ歌劇場(ヴェネツィア) など その他はこちらで紹介

女性編【服装についての疑問に答えます】 オペラ鑑賞時に押さえておきたい6つのポイント

オペラ開演前ライプツィヒ歌劇場のロビーの様子。ドイツでもライプツィヒはフォーマル度はさほど高くなく、スマートエレガンスの装いが多いように感じる

前提として・・・ この記事では、いわゆるガレリア席(天井桟敷)や舞台が見えないようなボックス席の奥などではなく、平土間席や、ボックスの1列目など、第1〜第3カテゴリー席に座る場合を想定しています。(カテゴリーが低くなるとチケットの価格も下がるため、装いもカジュアルになる傾向があるが、基準が難しくなるのでここでは割愛)

スマートエレガンスならまず失敗しない

スマートエレガンスならまず失敗しない

昼、夜、いずれのオペラ鑑賞時に対応できるのがスマートエレガンス。
オペラ鑑賞だけでなく、オーケストラや室内楽コンサートなど様々な音楽シーンに対応ができます。

いわば、女性編ファッションの「安全圏」

フォーマル、セミフォーマル、インフォーマルといったカテゴリーと比較してもオシャレの幅も効き、アイテムもいろいろと揃えられるので、数パターン用意しておけばまず困ることはありません。
一般的にはドレッシーで華やかなワンピースや上品なスーツなど、日本での着用シーンだと結婚式の二次会や披露パーティ、高級レストランなどでの食事での装いを参考にすると良いとされていますが、次に挙げるビジネスカジュアル、ビジネスフォーマルとの境界線は明確には分かれていないので、日頃のライフスタイルに合ったほうを選べば良いでしょう。

肌の露出はあまり多くないほうが好ましいとはされてはいるものの、上質な素材や身体のラインがあまり強調されないものなら、多少肌の露出があっても、それほど気にしなくても大丈夫です。

ビジネスカジュアルまたはビジネスフォーマルもアリ

ビジネスカジュアルまたはビジネスフォーマルもアリ

ヨーロッパでは年齢を問わずパンツスタイルは好まれているようで、こうしたファッションは若い女性から高齢の女性まで幅広く見られます。ドイツのメルケル前首相は大のオペラ好きとして知られていますが、ベルリン国立歌劇場でお見かけしたときには、赤みがかったオレンジ色のジャケットに黒のパンツスタイル、バシッとキメていらっしゃいました。

こちらもオペラ鑑賞だけでなく、オーケストラや室内楽コンサート全般に使える装いです。ビジネスシーン(パーティ、レセプション)で見かけるようなドレッシーな雰囲気のパンツスーツやワンピースなどもおすすめですが、いわゆるリクルートスーツ&シャツのスタイルでもギリギリセーフ。ただ、華やかさに欠けるので大ぶりのパールネックレスなどのアクセサリーを加えるとか、シャツを華やかなデザインにする、彩りを添えるスカーフを差し込むなどすれば良いでしょう。

ベルリン国立歌劇場のホワイエ オペラ幕間の様子

ベルリン国立歌劇場のホワイエ オペラ幕間の様子

インフォーマルとセミフォーマル、フォーマルな装いの使い分け

インフォーマルとセミフォーマルの装いの使い分け

上品なツイードのセットアップスーツ & 民族衣装をモチーフにしたドレスも華やか

インフォーマルといえば礼装のなかでももっともカジュアルとされ、昼と夜とで明確に区別されるセミフォーマルやフォーマルとは異なり、インフォーマルは昼夜いずれにも対応ができることから、スマートエレガンスより一段階華やかな装いが楽しめると言われています。
ドレッシーなワンピースやスーツ、上質な素材でつくられ、上品さを感じさせることにポイントが置かれるので、背中や肩の露出は抑えたものが一般的で、日本での着用シーンは結婚式や披露宴のゲストとして列席する際の装いをイメージすると良いとされています。

一方のセミフォーマルは前述のとおり昼夜で装いが異なるため、昼の公演を鑑賞する場合には、袖があるもの、背中や肩の露出が少なく、さらにスカートの丈もふくらはぎ~膝下までに収めるようにし、光沢も少なめ、華美になりすぎないデザインが良いとされていますが、ことオペラ鑑賞に関してはあまり気にしすぎる必要はないというのが個人的な意見です。(昼の公演であっても、特別なイベントではロングドレスで登場する女性も少なからずいますし、場内を華やかに彩るので浮いた感じにもなりません)

夜公演の場合には、いわゆるイブニングドレスやカクテルドレスを選ぶと最高のひとときを味わうことができるのですが、近頃はそういった女性客多くは見られなくなりました。特にロングドレスの割合は女性の1割以下かな…という印象です。それだけに、その1割の装いはやはり人目も引きますから、チャンスがあればぜひ挑戦してみてほしいなと思います。
カクテルドレスであれ、ロングドレスであれ、素材は光沢感のあるもの、艶やかで華やかさを演出しつつ、肩や胸元の露出もぐっと増します。よりフォーマル度がアップするオペラ・シーン(例えば、シーズンのオープニング公演や、ガラ・コンサートなどの公演、特定のフォーマル度の高い音楽祭などはぐっと華やかさが求められる)には、足首まですっぽり隠れるロング丈で鑑賞する女性も少なくありません。

インフォーマルとセミフォーマルの装いの使い分け

和装(着物)は最強の装い

【服装についての疑問に答えます】オペラ鑑賞時に押さえておきたい3つのポイントでも触れたように、和装(着物)はフォーマルの各段階にも対応しうるだけでなく、ヨーロッパでは非常に人気の高い装い。日本から持参するため荷物もドレス一着と比べたらはるかにかさ張るものの、社交場としての劇場でオペラを鑑賞するには大変ふさわしい装いです。素材は正絹の訪問着、付下げ、小紋など。紬は日本では礼装にはなりませんので避けたほうが良いとされていますが、これもヨーロッパならそれほどうるさく考えなくても良いと個人的には思います。が、いかにも普段着感あふれる柄物は避けたほうが良いですね。帯は本来なら袋帯と言いたいところですが、金銀糸や箔使いの名古屋帯なら問題ありません。

過去の思い出で印象に残っているのが、毎年1月1日に開催されるウィーンフィルのニューイヤー・コンサート。親子で鑑賞ツアーに参加されていたお客様のうちお嬢様がわざわざ着付け師(※)を手配されて、振袖と立て矢結びという装いで、楽友協会の手前に現れた途端にあちこち他の観客から写真を一緒に撮らせて、撮らせて、と次々に頼まれ、なかなか館内に入れずにいたことがありましたが、国境を越えて、伝統衣装としての着物はまさに最強の装いなのです。

和装(着物)は最強の装い

(※)ヨーロッパの各都市に着付け師が必ずしもいる、とは限らないので、事前に調べておくことをお勧めします。基本は自装と思っていたほうが良いでしょう。また、写真のようなアップスタイルは、ホテルに入っている美容室などでセットを頼むことが出来ますが、一般的に日本人の髪質に現地のスタイリストは慣れていませんので、セットしたいイメージ写真を見せるなどしたほうが良いです。カーラー巻き過ぎ、クルクルなってしまい、泣くに泣けない状態になった、という笑えない話もありますので…

最低でも押さえておきたいスマートカジュアル

スマートカジュアルは最低でも押さえておきたい

最近ではカジュアルな装いでも、つまみ出されてしまうことはほぼ皆無…… とはいえ、冒頭にも触れたように、安いカテゴリーの座席でない場合には、あまりカジュアル過ぎるファッションは避けておいたほうが無難です。女性ならば最低でもスマートカジュアルは押さえておきたいところですね。

女性編【服装についての疑問に答えます】 オペラ鑑賞時に押さえておきたい6つのポイント

ドレスデン国立歌劇場の平土間 時折カジュアルな格好の観客もいるものの全体から見れば少数派

冬場の靴問題

ちょっと、話は逸れますが、実はよく訊かれる質問のひとつに、寒い時期足元が悪い日の靴はどうすればよいのか?というのがあります。雪に覆われた道路を歩くのに、華奢なパンプスなんて履けないですよね?

これは、会場まではブーツなど足元のしっかりとした靴を履き、会場でパンプスに履き替えてクロークに預けるのが一番かんたんな方法です。余裕があれば、劇場の目の前までタクシーなどでたどり着けば、足元もさほど汚れずに済むかもしれませんが、ヨーロッパの道路事情はなかなか悩ましいもので、必ずしも希望する場所で乗り降りできないことも少なくありません。
もしくは、靴裏が滑りにくく、デザインの洒落たブーツなどを履いて、スーツやワンピースと合わせるのも良いと思います。

アクセサリーで差をつけよう

アクセサリーで差をつけよう

シンプルなワンピースの場合にも、ゴージャスなドレスの場合にも、アクセサリひとつでグッと雰囲気は変化します。ただ、オペラ鑑賞なので、カチャカチャ音の立つようなアクセサリは避けておいたほうが無難。

音の点でいえば、スカーフやストールも衣擦れがあまりしないほうを選ぶこと。案外、そういった音には神経質な観客もいるので、余計な軋轢を生まないためにも気を配ったほうが良いと思います。

なお、西洋では女性は室内で帽子を着用しても良いとされていますが、劇場内で帽子を着用している女性はまず見かけません。背後に座る人への気遣いもあるので避けたほうが良いとされています。
帽子とは異なりますが、時折、ボリュームのあるロングの、それもパーマヘア(地毛かもしれない)の女性の背後になってしまうと視界が殆ど髪の毛で隠れてしまいます。こればかりは、席を動いてください、と頼むわけにもいかないのですが、たまーに遭遇するとガックリきちゃいますね。マナーとして、後ろで結くなり、シニヨンにするなりしてコンパクトにまとめて欲しいなとは思います。

まとめ

オペラ鑑賞時に押さえておきたい6つのポイント(女性編)、いかがでしたか?

6つのポイントとは

  1. スマートエレガンスならまず失敗しない
  2. ビジネスカジュアルまたはビジネスフォーマルもアリ
  3. インフォーマルとセミフォーマル、フォーマルな装いの使い分け
  4. 和装(着物)は最強の装い
  5. 最低でも押さえておきたいスマートカジュアル
  6. アクセサリーで差をつけよう

今回は、ドレスコードごとにポイントをまとめてみましたが、それほど厳格なルールがあるわけではないので、冒頭にも書いたように基本は押さえつつ慣れてきたら色々とアイテムを増やし楽しんでいくことをおすすめします。繰り返しですが、オシャレもファッションもオペラを楽しむための強い味方になってくれますから、不安を感じすぎずとにかく色々と挑戦するのが一番の近道です。

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