ベルリンという街も、シーズン中に訪れれば、フィルハーモニーホール、
ベルリン州立歌劇場、ベルリン・ドイツオペラ、コンツェルトハウスなど、
何処かしらで演奏会が開催されている。
2019年の冬、出張後半で訪れたベルリンの街で待っていたのは、
鬼才クルレンツィスのベルリン・フィルデビューだった。
【回想】2019年12月01日(日) ベルリン出張 @フィルハーモニーホール
凄まじい演奏だった。初めから終わりまで、ずっと鳥肌が立ち、全身が震えた。
ヴェルディの《レクイエム》T.クルレンツィスのベルリン・フィル デビュー。
まるでダンサーのように、しなやかに舞い振る姿。
指揮台は取り払い、ソリストとオケとの間を自由に行き来する。
長身でモデルのような佇まい。
ファンが多いのも頷ける。
繊細なピアニシモ、渦を巻くようにベルリン・フィルを引っ張っていくカリスマ性。
ベルリン・フィルの秀逸なメンバーも負けじとついていく。
先週(ベルリン・フィル来日公演@サントリーホール)のZ.メータは、
どちらかといえば、指揮者がオケに支えられているようだった。
が、今度は逆。
ビュンビュンと嵐のように、いや、時にはトルネードのように、
オーケストラすべてのパートを巻き込みながら疾走していく。
しかし、ベルリン・フィルというオーケストラは本当に凄い。精緻なテクニックと音楽性、
どんな指揮者でも自分達のカラーが失われることはない。
指揮者にとっても、ベルリン・フィルは非常にエキサイティングな
相手なのではないだろうか。