初めてクラシックのコンサートに聴きに行く!そんなとき服装ってどうすればいいの?
これまでは、海外の劇場でオペラ鑑賞時に押さえておきたい装いのヒントとして
【服装についての疑問に答えます】オペラ鑑賞時に押さえておきたい3つのポイント
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男性編【服装についての疑問に答えます】オペラ鑑賞時に押さえておきたい6つのポイント
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女性編【服装についての疑問に答えます】オペラ鑑賞時に押さえておきたい6つのポイント
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3回に分けてご紹介してきましたが、そもそも海外よりも前に日本国内のコンサートはどうすれば? という声も、当然ありますよね。
ということで今回は国内のクラシックコンサートを聴きにいくときの服装をテーマに3つのポイントにまとめてみました。
日本国内のクラシックコンサートも基本はスマートエレガンス
日本国内のクラシックコンサートを鑑賞する場合も、海外のそれと同様にドレスコードはありません。
とはいえ、カジュアルなら何でもオッケー!・・・というわけでもなく、基本はスマートエレガンスを押さえておけばまず心配はありません。
つまり、これは海外の事情とも同じで、ちょっとしたオシャレなレストランに行くとき、友人知人の結婚式の披露宴やパーティ、仕事上でレセプションパーティなどに呼ばれたときの装いです。
これは、男女とも同じ。あまり堅苦しく考える必要はありませんし、あとで触れるようにコンサートのチケットの価格帯やコンサート会場などによっても若干は違いますが、いずれのシーンでもまずスマートエレガンスならば浮くことはない、ここのポイントを押さえておきましょう。
男性ならばダークスーツまたはジャケットコーディネート、ネクタイはしていない人も多く見かけます。特に夏場は会場内もエアコンは効いていますが、最近の日本は本当に暑いので殆どネクタイをしている人は見かけません。だからといって、Tシャツやポロシャツ(ジャケットなし)といった格好やできるだけ避けたほうが無難。短パンも同様です。肌が多く見えるような装いはできるだけ控えましょう。
女性に関しても露出の少ないワンピースやスーツが王道。スカートに限定されず、ジャケット&パンツスタイルも問題ありません。着物姿の方も時々見かけますし、各々の好みに合わせれば良いと思います。こちらも袖なしで肌の露出の多いもの、Tシャツ姿はやはり避けるべき。個人的には足指むき出しのサンダル類も避けたほうが良いと思っていますが、このへんはあまり神経質にならなくても、そこそこそういった装いの女性は見かけますので許容範囲ではないかと思います。
男性も女性もビジネスカジュアルまたはビジネスフォーマルでいけます
日本国内のクラシックコンサート、最近でこそ昼の公演が増えてきましたけれども、平日の公演の場合の多くは、18時半や19時からの開演がほとんどです。ですので会社帰りにコンサートを聴いて帰るというパターンも少なくないことから、通常のサラリーマンが会社に出かけるのに来ていく服装がそのままコンサートにも使える、ということになります。これは昼の公演であっても同様で、スーツ姿の男性を多く見かけます。もちろん、女性はスーツでなくてもそれに準じた装いであればまず大丈夫。昼夜問わずビジネスカジュアル、ビジネスフォーマルであれば失敗の不安はなくなります。
チケット価格やコンサート会場もひとつの目安に
国内のチケット価格については、オペラ公演を一例として
ヨーロッパと日本を比較してみた。オペラ鑑賞チケットのお値段事情
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上記の記事にて少し触れましたが、オペラではない一般のコンサート(オーケストラ公演、ピアノやヴァイオリンなどのソロコンサート、室内楽コンサートなど)でも、チケットの価格というものは、どこの会場で誰が開催するのか、によって若干の違いがあります。
一般的にはクラシック音楽が演奏される目的として建てられたホールで、かつ座席数が1,800席前後〜3,000席近いコンサートホールで催されるコンサートの場合には、そこで演奏する音楽家・アーティストは一流揃いであることが多く、チケット価格も高めに設定されています。そのため観客の装いもそれに応じてレベルアップする傾向が強くなります。例えば、オペラ公演だけでなく海外からの音楽家やアーティストらの来日公演などでも使われるような、「札幌コンサートホールKitara」「サントリーホール」「Bunkamuraオーチャードホール」「新国立劇場」「東京文化会館」「ミューザ川崎シンフォニーホール」「愛知県芸術劇場」「びわ湖ホール」「大阪フェスティバルホール」「兵庫県立芸術文化センター」「福岡シンフォニーホール」これらはほんの一例ではありますが、こういった大規模なホールで開催されるコンサートなどは、プロ向けのものであればチケット価格も高めに設定されています。こういった公演に聴きに行く場合には、ビジネスカジュアルからスマートエレガンスの装いでキメたいところです。
もちろん、1,800席前後〜3,000席近いコンサートホール以外にも、装いの点でいえば少し気を遣ったほうがよいかな、というホールがあります。それは室内楽向けのコンサートホールで、私が住んでいる東京都ですと、紀尾井ホール、トッパンホール、王子ホールなどは1,000席〜500席以下ではあるけれども、一流の音楽家・アーティスト出るホールということもあり、チケット価格も比較的高めです。こちらも昼夜問わず、観客の装いは上品な雰囲気が漂い、小規模のホールではありますが、スマートエレガンス、ビジネスフォーマルでキメたいところです。
では、服装にそこまで気を遣わなくても良いホールとは、どんなホールでしょうか? それは、クラシック音楽が演奏される目的として建てられたホール以外、つまり我が街のホール、いわゆる多目的ホールと呼ばれるようなホールです。スマートカジュアルな装いであればまず問題はありません。中にはラフな格好(Tシャツやジーンズなど)で聴きにくる観客も少数派ですが、いることはいます。ただ、誤解をしないで欲しいのは、そういうホールだからオシャレしても無意味ということではありません。こうしたホールにも一流の音楽家やアーティストは出演しますし、それは各自治体や企業の努力で招聘をしているのですから、音楽を楽しむのと同様オシャレに気を遣うのは十分主催者側に対する礼儀礼節であると私は思っています。逆に言えば、いちいち格好を気にしなくても、身近にそういった音楽に触れる機会が作られるのですから、気軽に聴きに行けるという一番のメリットこそ、我が街のホールならではとも言えます。
チケットの価格について
国内のクラシックコンサートチケット価格については、高い安いの定義づけがとても難しいです。国内外のアーティストかどうかによっても、招聘元によっても異なりますし、さらにいえば地域性にも影響されます。1回限りの公演なのか、学生やシニア割引、定期会員制を設けている場合などによっても異なります。ですので、敢えてここでは「装い」の観点から、プロによるコンサートと前置きをし主観的なものであることをお断りしておきます。
「装い」の観点から、私がいうちょっと高めのチケット価格というのは、1枚(1人)あたり7,000円〜8,000円を超える、または、それ以上を指します。この価格帯ですと、少なくとも我が街のホール、いわゆる多目的ホールの公演ではあまり見かけない価格帯です。感覚的には一般のプロによるコンサートの平均価格は4,000〜5,000円ぐらいで、よく知られたオーケストラであっても定期公演であればもう少し安いチケットもありますが、そういった場合はスマートカジュアルで十分いけると考えています。
もちろん、ビジネスカジュアルやスマートエレガンスを選ぶこともあります。この価格帯は季節によっても、聴く時間帯によっても、その時々に応じた無理のない装いで聴きにいくことが多いということです。ただ、チケットの価格帯が20,000円を超えるような公演の場合には、スマートエレガンスの装いで出かけるようにしています。この価格帯となると、通常の観客もいますが、いわゆる企業がスポンサーになるといったいわゆる招待客も少なくないため、会場内の雰囲気を見てもスマートカジュアルの割合はぐっと減ります。
まとめ
日本国内のクラシックコンサートを聴きにいくときの服装3つのポイント、いかがでしたか?
3つのポイントとは
- 日本国内のクラシックコンサートも基本はスマートエレガンス
- 男性も女性もビジネスカジュアルまたはビジネスフォーマルでいけます
- チケット価格やコンサート会場もひとつの目安に
あまり堅く考えてしまうと、せっかくの鑑賞も楽しみが半減してしまいますよね。
なので、基本はスマートエレガンスを準備をしておけばまず失敗はほぼありません。それでもってチケット価格が5,000円を下回るような場合なら、スマートカジュアルの装いで臨めばよいのではないでしょうか? それでも悩んでしまう場合には、ジーンズ、ダウンコートまたはジャケット、パーカー、短パン、ショートスカート、いわゆる 「ザ・カジュアル」さえ避けておけば、9割方はまず恥ずかしい気持ちになることは、ないでしょう。
様々な客層が集うのもクラシックコンサートならでは。気持ちの負担にならないよう目一杯に装うことも楽しんでいただきたいな、と思っています。