5年に一度ワルシャワで開催されるショパン国際ピアノコンクール。
国際都市ワルシャワというだけあって、ホテルの数も多く、大小さまざま。
ここでは、少々予算は高めだけれども、比較的安心かつ安全に過ごせる
4ツ星、5ツ星ホテルを中心にご紹介します。
おすすめ4つのホテル
- インターコンチネンタル・ワルシャワ
- ノボテル・ワルシャワ・セントラム
- メルキュール・ワルシャワ・セントラム
- ソフィテル・ワルシャワ・ビクトリア
これまで、ショパン国際ピアノコンクール、チャイコフスキー国際コンクール、
エリザベート王妃国際音楽コンクール、ロン=ティボー・クレスパン国際コンクール
など、数々のコンクールの旅行手配やツアー企画などの仕事を経験してきました。
これらの経験を踏まえて、これから聴きにいきたいと思う人にとって少しでも参考に
なってもらえたら嬉しいなと思います。
私がこれまで訪れた主な劇場・コンサートホール
ミラノ・スカラ座
パリ・オペラ座
ロイヤル・オペラハウス(ロンドン)
ウィーン国立歌劇場
ウィーン楽友協会
ザルツブルク祝祭劇場
バイロイト祝祭劇場
バイエルン国立歌劇場(ミュンヘン)
ベルリン国立歌劇場
ドレスデン国立歌劇場(ゼンパー・オパー)
フェニーチェ歌劇場(ヴェネツィア) など その他はこちらで紹介
まずは、コンクール会場の場所を押さえておこう
では、さっそく紹介していきましょう。
インターコンチネンタル・ワルシャワ
![インターコンチネンタル・ワルシャワ](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/2019_Warszawa_widok_z_PKiN_na_zachod_2_1200.jpg)
インターコンチネンタル・ワルシャワ
ワルシャワ市内でも、ひときわ目を引く文化科学宮殿のほぼ向かいに建つ5ツ星ホテル。
文化科学宮殿といえば、スターリン・ゴシックと呼ばれる建築様式でも知られる。
20世紀前半、スターリン政権下でその権威を象徴するような堂々たる佇まいが特徴。
![文化科学宮殿](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/IMG_9203_1200.jpeg)
スターリン・ゴシック様式の文化科学宮殿
文化科学宮殿の横にあるシフィエントクシスキ公園という公園を突き抜けるのが
最短ルート。会場まではおよそ850m。(公式サイト)
ワルシャワは比較的治安は良いけれども、コンクールの場合、夜まで演奏や
審査が及ぶ場合もあるため、夜間、ちょっと公園を抜けるのは不安という場合には、
公園の外側(Świętokrzyska 通り)を歩けば人通りも多くなるので安心。
![インターコンチネンタル・ワルシャワ](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/IMG_2495.jpeg)
インターコンチネンタル ロビーの様子
IHGホテルズ&リゾーツならではの教育を受けているだけに、
ここインターコンチネンタルホテルのスタッフやレストランの質は高く、
仕事を頼めば丁寧にきちっと対応してくれる。
インターコンチネンタルに限らず、ワルシャワのホテルのスタッフ全般に言えること。
良く言えばスマートで洗練され、テキパキそつなく動くイメージ。人によっては、
ちょっとだけ冷たい印象を受ける。
個人的には、同じポーランドでももう一つの世界遺産の街クラクフだと、
もう少しフレンドリーな印象がするのは、南だから?
![](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/IMG_2497.jpeg)
レストランやショップはロビー階とその上にある
コンクール期間中であっても、ホテルのゲストの半分以上はコンクールとは
直接関係のないビジネス客。
コンテスタントらしきゲストや審査員は、前回(2015年)の私の滞在中に
限っていえば見かけませんでした。
環境保全への取り組み、ホテル1部屋あたりの床面積の有効活用のため、
欧米では最近シャワオンリー(バスタブなし)のホテルが増加傾向中。
ただし、ここワルシャワの場合、4ツ星以上のホテルだとバスタブつきのホテルが多い。
コンクールの開催時期の後半(10月中旬)ともなると、
ポーランドも体感的には日本の12月並の寒さになる日もあるので、
湯船につかる習慣のある日本人にとっては、バスタブつきのホテルというのは、
なんだかんだで、やはりありがたい。
(今後、大規模な改装がおこなわれると、バスタブつきの部屋が減る可能性はある)
インターコンチネンタルのような5ツ星ホテルとなると、
シャワーブースとバスタブが独立しているセパレート式。
バスルーム全体も広々しておりとっても快適。
ちなみに、客室数は414。上層階はクラブフロア。
最上階(43〜44階)には、スパ&プール(画像はbooking.com)があって
特にプールから眺めるワルシャワ市内は格別。
ノボテル・ワルシャワ・セントラム
![ノボテル・ワルシャワ・セントラム](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/Hotel_Novotel_Centrum_w_Warszawie_2019_1200.jpg)
ノボテル・ワルシャワ・セントラム(Photo by Adrian Grycuk)
フィルハーモニーホールからホテルまでは、文化科学宮殿を右手に、
大型商業施設(TK MAXXやH&M)の横を通りながら南下する。
かなり交通量の多いJerozolimskie通りにぶつかるが、この通りを挟んだ向かい
にあるのがノボテル。
![ノボテル・ワルシャワ](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/IMG_2485.jpeg)
ノボテル・ワルシャワの前の大通り。ライトアップされた文化科学宮殿がひときわ目立つ。
この大通りは、地上でも横断歩道を渡れば移動できるが、地下道でも渡ることができる。
ホテルの周囲には、両替所や屋台、バーやレストランがたくさんあって、
若者も多く、いつもにぎやか。
おそらく、コンテスタントの多くが泊まっていると思われ、
ロビーでもしょっちゅう見かけました。
![ノボテル・ワルシャワ](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/IMG_2478.jpeg)
ロビー階には、レストランやバーも入っている
![ノボテル・ワルシャワ](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/IMG_2477.jpeg)
1〜16階までと、17階〜31階にエレベーターは分かれる。
![ノボテル・ワルシャワ](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/IMG_2474_1200.jpeg)
レセプション。このときは夜だったこともありスタッフも少なかったが、チェックインやアウトの時間帯はゲストが列をなして並ぶ。
ロビーの雰囲気はカジュアルで、質素な感じ。同じ階にショップやレストランが
数軒入っている。
客室数は742と、今回の4つのホテルのうちでも最も多い。
一般の団体客も多く泊まっているので、ロビーにはいつも多くのゲストが行き交う。
部屋は20〜25㎡で、ビジネスホテルのような感じ。
ただ、機能性は高く、快適に過ごせる。
部屋には湯沸しポットが備え付けてあり、ここもバスタブつきの部屋が多い。
メルキュール・ワルシャワ・セントラム
![メルキュール・セントラム・ワルシャワ](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/Hotel_Mercure_Warszawa_Centrum_2021_1200.jpg)
メルキュール・セントラム・ワルシャワ(Photo by Adrian Grycuk)
ノボテルと並ぶ4ツ星ホテルのメルキュール。部屋数は338。(公式サイト)
コンクール会場まではインターコンチネンタルの横を通り、公園を抜けて向かう。
4つのホテルの中ではもっともコンクール会場からは遠いにもかかわらず、
ここをオススメする理由は、
ホテルの目の前に映画館や飲食店、スーパーマーケットなどの商業施設が入る大型
ショッピングモールがあるから。
![メルキュール・ワルシャワ](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/IMG_9142_1200.jpeg)
ホテルの向かいにあるショッピングモール
ワルシャワの滞在が1,2泊程度ならば、ホテルのダイニングや
街のレストランで済ませても、まあなんとかなるが、基本的に
ポーランド料理は隣国ドイツやロシアの影響を多く受けているので、
比較的味付けも濃いのと、ホテルでの朝食といってもやはり野菜不足に
なりがちになるので、食料品を扱うスーパーが近くにあると重宝する。
![メルキュール・ワルシャワ](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/IMG_2486.jpeg)
ノボテルに比べると、ロビーも広めでごちゃごちゃした感じがあまりしない
お部屋はノボテルの同じくらいの広さ(20〜25㎡)で、機能的なつくり。
バスタブ、湯沸しポットもある。
ノボテルのような高層ホテルではないのと、部屋数もノボテルの半分以下
なので、個人的には朝食のゴチャゴチャ感がメルキュールには無く、
ゆったり過ごせるので気に入っている。
ソフィテル・ワルシャワ・ビクトリア
コンクール会場に最も近い5ツ星ホテルがソフィテル・ビクトリア。(2015年の時)
部屋数は336で、目の前にはサスキ庭園とよばれる州立公園が広がり、
4つのホテルの中で、旧市街にも近く、ホテルの周辺も静かな環境。(公式サイト)
お部屋もクラシカルで落ち着いた雰囲気。写真が暗いのは、夜に撮影したせい。
さて、実は、ここソフィテル・ビクトリアだけは私自身は泊まったことがなくて、
ホテルの詳しいことはあまり書けないのだけれども、
ここを敢えて紹介したのは、コンクールの審査員たちの定宿でもあり、
ロケーションの良さから、経済的に余裕のあるコンテスタントたちも、
ここを使うのだそう。
2015年のときも、審査員の海老彰子さんとアルゲリッチがロビーのソファで
座って話をしている様子を実際に垣間見たことも何度かあったし、運が良ければ
言葉を交わすこともできるチャンスもめぐってくるかもしれない。
![ワルシャワ大劇場](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/IMG_2460_1200.jpeg)
ワルシャワ大劇場
![ワルシャワ大劇場](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/IMG_2463_1200.jpeg)
ワルシャワ大劇場
もう一つは、本選の直後に開かれる入賞者ガラ・コンサートは、
ソフィテルからわずか数分の距離(北側)にあるワルシャワ歌劇場で開催される。
チケットの入手が本選と並んで難しいといわれる入賞者ガラ・コンサートだが、
運良く手に入れることができたら、ソフィテルに滞在しても良いかもしれない。
(ちなみに、入賞者ガラ・コンサートは全部で3日間開催され、初日のみ歌劇場で開催、
2,3日目は再びフィルハーモニーホールで開催される)
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ショパン国際ピアノコンクールを見に行く4つの方法
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まとめ
今回はコンクール鑑賞におすすめの4つのホテルをご紹介しましたが、
いかがでしたか?
パリやロンドンに比べると、まだまだ安いと感じるワルシャワのホテル。
コンクールは3週間に及ぶこともあり、コンテスタントたちにとっても、
審査員にとっても、ホテル選びはとっても重要。
同じく、コンクールを観にいく側にとっても、できることなら快適に
過ごしたいですよね。
これからも気になるワルシャワのホテル動向、追っかけていこうと思います。
番外編 ホテル・ワルシャワ(Hotel Warszawa in the Prudential building)
![ホテル・ワルシャワ](https://musik-travelers.com/wp-content/uploads/29-12-2019_Warszawa_Prudential_1200.jpg)
ホテル・ワルシャワ イン・ザ・プルデンシャルビルディング
ここからは、番外編。
なんと、ソフィテルよりもコンクール会場に近い5ツ星ホテルが
2018年に誕生していたことが判明。
その名も、「ホテル・ワルシャワ」
プルデンシャルといえば、イギリスに本社をおく生命保険会社。
この建物は戦前からランドマーク的存在としてワルシャワの街に登場。
もともとは1934年に建てられていたそうだが、
第二次世界大戦中に砲撃を受けて破壊される。
戦後、1954年以降ホテルとして再建されるも、2000年頃に一旦クローズ。
リノベーションを経て「ホテル・ワルシャワ」という名称で
5ツ星としてリニューアル・オープンした。
見てのとおり、フィルハーモニーホールからわずか250m。
いや〜、これはすごーく魅力的。
部屋数142だから、ビルに入る施設の大半はオフィスなのだろう。
客室のおよそ3分の1がスイートルーム、およびアパートメントらしいので、
いわゆるブティックホテルに近いのだと思う。
これを書いている2021年は残念ながら渡欧できないので、
このホテルの見学もできないけれども、ひょっとしたらベテラン審査員たちは
こちらに定宿を替えてしまうんじゃないか?と思ってしまったりもする。
ホテルの公式サイトはこちら。https://warszawa.hotel.com.pl/hotel-warszawa